いつも通りに猫のトイレ掃除をしていると「おしっこが赤い…。血尿かな?」「なんとなく元気がない…。」と心配になることはないでしょうか。
そんなお悩みの方に、今回は猫の血尿の代表的な症状・原因・対処方法などをお伝えいたします。
猫の血尿の2つの症状!チェック項目とは
1. おしっこの色が赤い
血尿とは「尿の中に赤血球が混入している尿」のことをいいます。
普段の黄色やオレンジ色っぽい尿とは違い、赤い尿や、濃いオレンジ色の尿が出たら要注意です。
猫のトイレには砂を入れている方が大半だと思いますが、その場合、猫砂の色を注意して見てみましょう。
猫砂の色が赤くなっていれば血尿の可能性が高いです。
2. 排尿痛
血尿が出ている多くの場合、排尿痛が伴うことが多いです。
あなたの猫は、
- 何度もトイレへ行っていませんか?
- トイレでずっと排尿の姿勢をとっていませんか?
- トイレでニャーニャーと鳴いていませんか?
上記に挙げたものは、排尿痛の代表的なサインです。
猫の血尿の3大原因とは?
1. 尿路結石
猫の血尿は、「尿路結石」が原因で起こることがあります。
猫はもともと乾燥地帯で暮らしていたため、水をあまり飲まなくても良い体の仕組みをしています。
そのため、少ない水分に老廃物を濃縮した濃い尿をします。
この仕組みは結石を作りやすく、猫はもともと尿路結石になりやすいのです。
雄猫の場合は、尿道は細くて長く、さらに先端が細くなっているため、結石がつまりやすく、尿路結石にかかりやすい傾向があります。
さらに、ミネラル分の多いドライフードを与えられるなどの食餌の影響によっても、結石ができやすくなってしまうことがあります。
血尿のほかに、排尿痛、何度もトイレに行くが尿がでない、食欲不振などの症状がみられたら尿路結石の可能性が高いでしょう。
2. 膀胱炎
「膀胱炎」が原因で血尿が出ることがあります。
膀胱炎のほとんどが細菌に感染して起こります。
血尿、おしっこをしても頻繁にトイレに行く、お腹を触ると痛がる、発熱している、このような症状が出たら膀胱炎のサインです。
3. 中毒症状
猫の血尿の原因として、意外と知られていないのがこの「中毒症状」です。
猫は玉ネギや長ネギなどを誤って食べてしまうと中毒症状を起こしてしまいます。
これは玉ネギに含まれる「アリルプロピルジスルファイド」などが、赤血球に含まれるヘモグロビンを酸化させることにより、溶血性貧血を引き起こすためです。
中毒症状では、血尿のほかに、ひどい貧血、ふらつき、黄疸、嘔吐、下痢などもみられます。
じつは人間でも大量に摂取しすぎると中毒症状が起こるくらいですから、猫のように小さな体ではほんの少量でも中毒症状になるのは当然です。
体重1kgあたり、28gほどの摂取で中毒が起こるといわれています。
猫の血尿への2つの対処方法
1. 猫の様子を観察する
猫が血尿をしたら、まずは猫の様子を観察してください。
- ご飯は食べているか?
- 血尿の頻度は?
- 量はどれくらいか?
- 元気はあるのか?
- 排尿痛はあるか?
以上のようにいつもと違うことを、獣医師に伝えるために些細なことでもよく観察してください。
こういった手がかりが多いほうが獣医師さんの診察の手助けになります。
2. 動物病院を受診する
血尿が出たら、なるべく早く動物病院を受診してください。
尿を病院へ持っていくことができれば良いのですが、トイレに猫砂が敷かれているため難しいでしょう。
そういった場合は、どの程度の赤い尿だったのかを伝えるためスマホなどで写真を撮ってください。尿の写真を獣医師に見せるためです。
また、検査がしやすくなるので、可能なら猫の便を忘れずに持っていくようにしましょう。
血尿の原因が尿路結石で尿路閉塞を起こしている場合、閉塞を解除せず放置してしまうと、膀胱に尿がたまり腎臓に悪影響を及ぼし、最悪の場合、膀胱破裂などの重症に陥ってしまうこともあります。
ですから、なるべく早く動物病院を受診するようにしてください。
猫の血尿が続く場合にすべき3つの検査方法
1. 尿検査
血尿の原因を探るために尿検査を行います。
費用は一般的に1000~2000円程です。尿のPH、潜血、顕微鏡を使用して結石・結晶の有無を調べます。
2. エコー検査
エコーにより膀胱などの観察を行います。
費用は一般的に3000~5000円程です。
エコー検査により炎症の有無、結石、結石になる前の砂状の結晶がどれくらいあるのかを調べることができます。
3. 血液検査
血液検査では、一般的な血球の検査に加え、炎症の数値、腎臓などの数値を確認します。
猫の状態により検査項目は変わりますが、費用は一般的に10000円~と考えておきましょう。
どの検査も数分から数時間の当日にできてしまう検査です。
猫の血尿が続く場合にすべき3つの治療方法
1. 尿路結石の治療方法
カテーテルを尿道口から入れて尿道を洗浄し、結晶を外へ洗い流します。
血尿の原因となった結石を取り除いても、膀胱の中に結晶が残っている場合が多いので、しばらくは治療を続けなければなりません。
また重度の尿路結石では、「一般に1センチを越える結石の場合」は外科的な除去、手術が適用されます。
上記の他には療法食が処方されることが多いでしょう。
2. 膀胱炎の治療方法
膀胱炎の多くの原因は細菌感染によるもののため、動物病院で抗生物質の投与をし経過を見ていきます。
3. 中毒症状の治療法方
吐き気や、下痢を止める内科的な治療に加え、貧血の治療を行います。
貧血の程度により点滴による治療から、輸血を行うまで様々です。
重症の時は回復するまで1~2か月かかることもあります。
猫の血尿へ日常からできる3つの予防ポイント
1. 水を多く飲ませる
普段からきれいなお水を飲ませてあげるのが血尿対策には一番です。
ただ、綺麗な水だからと市販のミネラルウォーターを飲ませるのはよくありません。
なぜなら、市販の水はミネラル分が多いので、逆に結石の原因となってしまうからです。
綺麗な水を飲ませたいなら、オススメはやはり猫用の水です。
猫専用なので尿路結石などを心配せずに、安心して猫に飲ませることができます。
ドラッグストアなどはあまり売っていませんが、インターネットでなら簡単に購入できます。
2. トイレをいつも清潔にしておく
猫はとてもきれい好きな動物ですから、トイレを清潔に保つことはとても重要です。
猫の頭数×2つ分のトイレを用意しておくと尚良いでしょう。
3. 玉ネギや長ネギを触ったり食べたりできないように保管する
猫はとても好奇心旺盛な動物で、誤ってなんでも口に入れてしまいがちです。
玉ネギは袋に入れておく、冷蔵庫に入れておくなどの対策をしましょう。
また調理後の玉ネギであっても危険なことには変わりありません。
たまねぎの入った料理や煮汁なども注意しましょう。
中毒を起こすものはたまねぎや長ネギだけではありません。
人間の食べているものを安易にあげないことが大切です。
今回のまとめ
猫の血尿の2つの症状!チェック項目とは
猫の血尿の3大原因とは
猫の血尿への2つの対処方法
猫の血尿が続く場合にすべき3つの検査方法
猫の血尿が続く場合にすべき3つの治療方法
猫の血尿へ日常からできる3つの予防ポイント