老犬の食事で気をつけたいこと

ドッグフードを食べるラブラドール

犬も年齢を重ねるに従って体全体にガタがきます。若いときと同じ食事は老化の始まった体にとって負担になっている可能性が大きいのです。

犬がシニアの仲間入りをする7〜8歳になったら食事を見直す必要があります。年齢に見合った食事を用意するのは飼い主の役目です。今回はそんな8歳以降の犬が気をつけるべき食事についてご紹介します。



老犬の食事で気をつけたいこと

食事の見直しを行うのは7〜8歳から

タキシードのフレンチブルドッグ

個人差はありますが人間でも年をとってくると「油っこいものをとりすぎると翌日体調悪くなって困る」とか「歯が悪くなってきたのか、硬い物を食べるのが辛い」。こんな話はよく聞かれます。

考えたくないことですが、これは”老化現象”によって、いつのまにか体のあちらこちらにがたがきはじめているのです。

それは犬も同じです。

1.犬の老化は見かけではわかりにくい

犬がシニアの仲間入りをするのは7〜8歳頃からです。犬種によって差はありますが、それは長生きをするかどうかという差であって、体が衰えはじめるのはどの犬種でもこの年頃からだといわれています。

7〜8歳の犬は1〜2歳の頃とさして見かけが変わらないため、飼い主は愛犬が老化が始まっているとはなかなか気づきません。

明らかに中年太りの状態になっていても「コロコロしていて可愛い」とのんきなことを言っている飼い主もいるくらい「周りはそうかもしれないけれど、うちの子は違う」と思いたがり、老化への対応も遅れがちになります。

2.悪い兆候が見える前に対策を

よほどのことがない限り犬は飼い主の出したものをきれいに平らげます。
残さずに食べるからこのままで……では、よくありません。

若い頃から与え続けているそのゴハンが、弱りはじめている愛犬の消化器官に大きな負担をかけている可能性は高いのです。

「あまり食べなくなった」「急に太ってきた」「このところ痩せてきた」、そんな目に見える悪い兆候が起きる前に食事を見直す必要があるわけです。

食事を見直して、でもタンパク質は必要

切り株にたたずむボーダーコリー

犬は雑食動物ですが、元々は肉食のオオカミと同族です。
年をとってからでもタンパク質は必要な栄養素です。

1.年齢別のドッグフード

最近はドッグフードも仔犬用、成犬用、7歳以上のシニア用、10歳以上の高齢犬用と細かく分かれた製品がホームセンターやスーパーマーケットでも簡単に手に入るようになりました。

年齢を重ねるとともに、こういったフードから適切なものを選んで与えていけばいいはずです。
ただし、気をつけなくてはいけないは、中には高齢犬用のドッグフードに変えたことで体調が悪くなってしまう犬もいることです。

犬に主食は動物性の食べ物を

肉食動物のオオカミを祖先とする犬は、長い人間との共同生活の中で雑食性を高めてきました。
しかし、オオカミの体と犬の体を比べてみればわかるように、いまでも交配ができるくらい似通っています。

今でも犬のメインの食事は動物性のものなのです。

1.多すぎる植物性の食べ物は負担に

体を維持するためにはタンパク質が必須です。

犬は植物性の食べ物、例えば穀類からでもタンパク質を消化吸収することはできますが、年をとって弱りはじめている消化器官にとって、大量の植物性の食べ物は負担になります。負担が多くなれば体調を崩すのは当たり前です。

2.シニアからはフードの成分を気にする

せっかく年齢別に分かれているドッグフードですが、中には高齢犬になるに従ってカロリーである脂質を減らすために、動物性タンパク質が豊富な素材を削って植物由来の素材である穀類を増やしているだけのドッグフードもあります。

シニアから高齢犬になっても、犬の体を維持するためにはタンパク質が重要です。

タンパク質が足りなれば体調を崩してしまいます。
単に穀類を増やすことで成分調整してあるものでなく、素材自体を見直すことで高タンパク・低カロリーを実現しているフードを選びましょう。

食事をとらなくなってきたら

首を傾げたシーズー

ドッグフードに気を使っていても、年をとれば段々と食が細くなっていく子もいます。
病気にかかっているときは医師の判断に従って食事の内容を変えていってください。

そうではなく加齢のために食事が取れなくなっていく子については、ある程度の年齢に達しているなら「好きなものを与える」というのも選択肢です。

1.食べても消化吸収されなくなってきていることもある

食欲のある犬でも、10歳を越えるといつもと食べている量は変わらないのに痩せていく場合もあります。

それは、おそらくトイレの回数や1回の量が増えていると思います。

弱っている胃腸が食べたものを充分に消化吸収できなくなっているのです。

2.食べたいものを食べさせる

いつも通り食べる犬でも痩せてしまうことがありますから、ましてや食べない犬は更に痩せていってしまいます。
そんな時は、大好きな食材、人が食べている食べ物を与えるのも構わないと考えます。

もちろん、チョコレートやネギ類など中毒を起こす可能性があるものは御法度ですし、塩分や糖分が高すぎるものをダメです。

魚好きだからと安価な猫缶を与える人もいるようですが、猫は生きていくために大量の脂質を必要とするため、猫缶はかなりカロリーが高いことを考慮してください。

運動量が減っているところへ多すぎる脂質をとれば体を壊す原因になります。

煮干しや鰹節

例えば、魚好きの犬なら煮干しや鰹節を与えるのもいいかもしれません。

煮干しにはそれなりの塩分が含まれていますから、ダシを取った後のものをゴハンに混ぜてやればいいでしょう。
煮た方が柔らかくもなりますし。

鰹節もせっかくですからダシを取ってからのものを使います。
いつものフードでも好きなもののニオイが加われば食事を多めにとってくれるはず。

出し殻といっても本体には、とったダシよりも多くの栄養が含まれています。
普段、ダシをとっていない人にとっては面倒かもしませんが、やってみると意外と簡単です。
もちろん、とったダシは人間が美味しくいただきましょう。

チーズを載せる

チーズなど乳製品が好きならにそれらを加えてやりましょう。
チーズは塩分の低いモッツァレラチーズがいいといいますが、お値段を考えて乳幼児用のチーズはどうでしょうか。
カッテージチーズもお手頃価格で毎日使いにはいいと思います。

牛乳をかける

牛乳は基本的に犬に与えてはいけないことになっていますが、カルシウムやタンパク質を簡単にとるには適しています。
低脂肪、無脂肪のものを少量ゴハンにかけるのもいいでしょう。

ただし、過去に牛乳で体調を崩したことがある子には与えないでください。
ノンラクトースのミルクも出ています、そういったものも活用してみてください。

愛犬のための工夫と手間は面倒ではありません。

まとめ

犬は食べることが大好きです。
でも、犬は「今日は何を食べようか」と自分で食べるものを選ぶことはできません。

犬の食べ物を決めるのは飼い主です。
年齢と共にドッグフードを見直し、食が細くなったら食べてくれる方法を考えましょう。

逆に痴呆が始まっていくら食べても食事を欲しがる子もいます。
そんな子には穀類の中では多く与えても健康を害さないといわれているオカラで増量する、など工夫してください。

飼い主ができること、やらなくてはいけないことはいっぱいあります。

いくつになっても愛犬が食事を楽しむことができるよう、食事を楽しめないときがくるのを少しでも先に延ばすことできるよう、いつでも考えてあげてください。

関連記事

老犬にオススメのサプリ

タイトルとURLをコピーしました